水上 博敏（みなかみ ひろとし）　　　　　15歳　　男

　給食の最中に異界へと飛ばされた中学三年生。
　飛ばされてすぐ薨去した冥王国ミョウドの王太子ヒロの意志を受け継いでいるという神託を受けて右も左もわからないうちに王太子として奉られ、また冥王国軍元帥として冥府からの侵略者と戦うことになる。
　単純且つ明快な性格。行動力と判断力が優れていて、体力も十二分にあるが、嘘と隠し事が苦手で、思ったことをすぐ口に出してしまうこともしばしば。年頃の少年らしく性欲はたっぷりある反面、生身の女には尻込みしがち。
　見た目は平凡。敢えてどちらかというとオトコマエな部類。黒茶色の双眸に黒髪。

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「まぁ死にさえしなければいいかなと思う──あくまで、百歩譲って、だからな」

ヒロ（飛露）　　　　　故人　　男

　冥王国ミョウドの王太子。冥王国軍元帥。先の冥王サトリの第一王子。
　国母として国民から絶大な支持を受けた皇后カナンの唯一の王子として祝福を受けて育つ。父王の崩御に伴い王太子の位につき、賢王となることを期待されていたが、突然謎の死を遂げる。享年27歳。
　人目を引く美丈夫。赤墨色の双眸に青墨色の髪。

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「命を賭けて、守る。それしか──」

シュラ（修羅）　　　　　25歳　　男

　冥王国ミョウドの軍人。第一近衛軍親衛部隊隊長。
　氷公国トウト出身で、７歳の時、母の再婚に伴い冥王国に入国。義父が親衛部隊の隊員であった縁で第三王子ヒロの近侍として取り立てられる。以降、ヒロの右腕として活躍し、20歳の時、親衛部隊の隊長に抜擢。ヒロの薨去後、異界から来た少年・博敏の教育係を兼ねることになる。
　性格は冷静沈着。理論派で策士。しかし、博敏の教育係となってからは激情家な一面も見せるようになる。
　線の細い優男風。だが目つきは鋭く、笑顔は皆無。青褐色の双眸に青銀の長髪。

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「私が必要としているのは主だ」

ユリナ（由李那）　　　　　11歳　　男

　神託を司る上宮（かみのみや）に仕える神託の巫女。先王の第二王子。ヒロの異母弟。
　前代の神託の巫女である現冥王ヨウカが神託の力を失い冥王宮に入ったのを受け、訳あって先王の第二十三王女として上宮に移される。姫として育てられたが王子であることは承知済み。だが、女であることを望み、巫女として生活している。
　表向き聡明且つ優美な巫女姫を装っているがその実高飛車でワガママ。楽しいことには進んで首を突っ込むがその一方で酷く気まぐれで飽き性でもある。年の離れた兄のヒロにはあまり興味がなかったが、代わりにやってきた博敏はお気に入り。シュラとは馬の合わない様子。
　中性的で端正な容姿。鳶色の双眸に青墨色の長髪。

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「じゃあやめちゃいなよ、あたしみたいにさ」

ヨウカ（陽華）　　　　　29歳　　女

　第57代冥王。先王の第一王女でヒロの実姉。
　生まれて間もなく神託の巫女として上宮に移されたが、18歳の時、神託の力を失い上宮を出て冥王宮に入る。翌年、冥王が崩御し、冥王の長子として即位。弟ヒロを摂政として治世を行っていたが数年前より精神に異常をきたし、以降冥王宮の後宮にて軟禁生活を送る。大議会の判断によりヒロの死を知らされないまま博敏と対面し、彼を弟と認めたことから、博敏 = ヒロという図式が国の総意となった。
　幼い頃から夢見がちなところがあり、それは現在でも変わらない。心内で何を思っているのか判り辛い反面、表に見せてるものが全てだとは思えない一面がある。
　儚い雰囲気を漂わせる少女のような幼い美貌。墨色の双眸と床まで届くほどの長髪。

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「あたくしはもうこの世のものではないの」

トナミ（都波）　　　　　45歳　　男

　冥王国上宮の祭司。門宮省の長官。先王の異母弟。
　強い神託の力を持ち、生まれて間もなく上宮に移される。先王から篤く信頼され30歳の時に全宮を治める門宮省の長官となり、冥王ヨウカの代となった今でも強い発言力を持っている。博敏をヒロの“後継者”と定めた神官。
　神官よりかは政治家向きの性格で腹芸が得意だが、根は愛国心を持った真面目な勉強家。ヒロに不信感を持っていた数少ない人物。
　長身痩躯で年齢の判り難い顔立ち。鳶色の双眸に白髪交じりの墨色の髪。

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「恐悦至極に存じます──が、私めは貴方様の下僕であります故お気遣いなきよう」